復興祈念駅伝について


<お読みいただけますが、作成中ですのでご了承ください。加筆修正や写真の掲載など、今後充実をはかっていきます>

復興祈念駅伝は、地域をつなぐ、人をつなぐ、
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で被災した福島県沿岸部の南相馬市と浪江町を自分の脚で走り、観て、感じてもらう、
力を合わせ完走を目指すことを被災地への想いと重ね合わせ、復興への励みにする
街に賑わいをつくり、地域の人たちに喜んでもらう、
…などを目的とし、2017年3月から開催しているイベントです。
南相馬市を活動拠点とする任意のランニンググループ"Team M4"(チームM4)が、多くの皆さまのご協力とご理解を頂きながら主催しています。



はじめての復興祈念駅伝は2017年3月19日(日)に開催しました。
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から6年を迎えた当時、南相馬市は復興の進み具合や賠償に関する差などが地域ごとにあり「分断された」などと繰り返し報道されました。鹿島、原町、小高の3つの市町が合併して5年を過ぎたばかりで被災したこともあり、街としてどこかバラバラな状態で年月が進んで行っていました。

私たちチームM4では、鹿島区から原町区、そして小高区へと、3つの地域をまたぐようなランニングイベントができれば面白く、また地域を少しでもつなげることができるのではないかと考えました。自分たちの脚で走り抜けることで、テレビや新聞の報道で見聞きするだけではない街のいまを、参加した人に感じてほしいという想いもありました。

スタートからゴールまでを、少しずつの区間に区切れば長距離に自信のない方でも参加しやすいかと考えました。
「タスキをつないで皆で力を合わせてゴールし、その想いを共有し発信する」これこそが今のこの地域に必要なメッセージではないかと思いました。

南相馬市の原発から20キロ圏内の避難指示が、一部を除き解除された2016年7月12日から約8か月。
第1回は鹿島区のJR鹿島駅から原町区を通過し、小高区の小高駅前までの19キロを3区間にわけ、タスキでつなぐルートで実施しました。
参加者は約40人。市内や市外、福島県外からの参加もあり、参加者同士で交流を深めました。
小高駅へ到着後、希望する有志の皆さんで、小高区沿岸の塚原公会堂までをさらに追加ランニングする催しも行いました。塚原公会堂では区長のお話しを聴き、津波で犠牲になられた皆さんへ黙とうを捧げました。

ゴールの小高駅前では、住民の皆さんがつくってくれた豚汁の振る舞いなどもあり、食べ物を通じながら市内外の参加者、住民の方、交流ができました。

初回を終え、復興祈念駅伝は毎年「3月11日が過ぎた後、次の一年を迎える週末に」開催し続けていくことを決めました。
また、第1回の開催直後、2017年3月31日に浪江町の避難指示区域が解除されたこともあり、浪江町から避難し沿道で応援してくれた方々から「次回は浪江町まで区間を伸ばしてほしい」という声をいただきました。


第2回は2018年3月31日(土)に、南相馬市鹿島区から原町区、小高区を通って浪江町をゴールに開催することを決定しました。
この回は、南相馬市に移住した作家の柳美里さんと親しい、オリンピックランナーでスポーツジャーナリストの増田明美さんにゲスト参加して頂きました。
増田さんは各区間でランナーに声をかけ、一緒になって走ってくれました。
ゴール後は町の集会所(権現堂集会所)で、住民の皆さんの手づくりのおにぎりや豚汁を頂き、参加者一同交流を深めました。


3回目は2019年3月17日に開催。コースは前年とほぼ同じ(但しゴールは浪江町地域スポーツセンターに変更)で、南相馬市鹿島区から浪江町までを巡るコースが確立しました。
実は前年、浪江町まで走りゴールする中で浪江町民の方の参加がほぼ無かったことなどが反省点として上がっていました。
そこでこの年は、イベント周知の徹底や口コミでの拡散、浪江町役場や帰還されている町民の方などにもご協力頂き、意識的に浪江町からのランナー参加が増えるよう努力を重ねました。
その甲斐があってか、帰還されている方、避難されている方など、浪江町の方の参加が増えました。同時に開催を支えるボランティアスタッフにも浪江町民の方に多く参加して頂きました。
ランナー参加も年を追うごとに増え、この回は50名ほどが参加されました。
浪江町在住の80代男性ランナーも参加され、最終区間のおよそ10キロを走り抜けました。震災後に避難先でランニングを始めた理由を聞くと「避難指示が解除されたら元気に浪江町に帰還するため」でした。これまで色々な大会にもご参加され健脚を披露されています。
ご家族の皆さんもお車で移動しながら、コースの各所で応援してくれました。


4回目は2020年3月15日に開催しました。
JR浪江駅~富岡駅間の運転が前日の3月14日に再開し、常磐線が9年ぶりに悲願の全線再開通となることから「再開通を祝ってゴールは浪江駅に」ということになりました。
その一方、新型コロナウイルスの感染が次第に拡大していくという問題が日に日に大きくなり、開催へ向けては中止や延期も視野に検討を重ねましたが、徹底して対策を取って開催する方向となりました。
これまでで最多の60名にご参加頂きましたが、ゴール後の手づくりの豚汁やおにぎりなどの振る舞いを残念ながら中止し、既製品のおにぎりなどを配布、会食も希望者のみとしました。
JR浪江駅前で「祝全線再開通」と書いたプレートを持ちながら、ゴール後に参加者で記念撮影し、線路が繋がった喜びを共有/発信しました。
お陰様で、開催後2週間内に新型コロナウイルスに感染したという報告はなく、無事にイベントが終了しました。


5回目は2021年3月14日に開催しました。
前年に続いて新型コロナウイルスの影響が大きい中、緊急事態宣言が出ている都道府県からの参加はご遠慮いただくなどで規模縮小するほか、様々に対策を講じて開催となりました。
参加された方からはアンケートで「自粛のイベントが多い状況の中、参加できてよかった」「次回も参加したい」等、好評の言葉を多数いただきました。
イベント終了後も感染者の報告はなく、参加された方お一人お一人が真摯にウイルス対策などご協力いただいたお陰で、問題なく実施できたことをここに報告させて頂きます。


なお、初回から5回目まで復興祈念駅伝の開催にあたっては補助金等を申請することなく、各ランナーからの参加費とともに、開催地域を中心とした地元の企業・個人の方など、たくさんの皆さまからご協賛金を頂くことで運営をしてきました。ここにあらためて感謝の意を表します。ありがとうございました。

(以上、暫定的な内容ですが掲載しています。今後、写真の掲載等充実させていきますのでよろしくお願いいたします)